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成年後見

成年後見制度成年後見人利用の目的申立て方法

成年後見制度

成年後見制度とは

 後見人が、精神上の障害により判断能力が不十分な本人に代わって、契約などの法律上または社会生活の様々な手続を処理する制度です。

対象:認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など
目的:本人の支援・保護。
3つの類型

成年後見制度には、後見保佐補助の3類型があります。各割合は後見80%、保佐15%、補助5%です。
下の表は後見と保佐のイメージです。

後見
  1. 通常は、日常の買物も自分で行うことはできず、誰かに代わってやってもらう必要がある方
  2. ごく日常的な事柄(家族の名前、自分の居場所等)が分からなくなっている方
  3. 完全な植物状態(遷延性意識障害の状態)
保佐
  1. 日常の買物程度は自分でできるが、重要な財産行為は、自分では適切に行うことができず、他人の援助を受ける必要がある(誰かに代わってやってもらう必要がある)
  2. いわゆる「まだら呆け」の中で重度の方

成年後見人

後見人の仕事
財産管理
本人の財産と収支について管理を行います。
例)年金の受領、社会保険料や税金の支払い、預金口座や保険証書の管理、保険金の請求、遺産分割協議
身上監護
本人の生活、健康、療養等に関する事務を行います。
例)施設の入所契約、介護・福祉サービスの利用契約、入院の手続、支払い
後見人の責任
財産の混同は許されない
後見人は自分の財布と本人の財布を完全に分けて、本人の財産を管理しなければなりません。
裁判所への定期報告
監督機関は裁判所です。後見人は財産目録や収支計算書を作成し、年1回裁判所に提出します。
まとめ
後見人は本人の財産処分に関して包括的な代理権を有しています。
後見人は、事実上、本人の財産を後見人で全て動かすことができます。
しかし、その目的は、本人の保護、本人の利益を図るためです。
後見人は、「本人のためになるか」を基準に行動しなければなりません。

利用の目的

成年後見を利用する動機は、財産管理処分90%、身上監護30%、遺産分割協議10%といわれています。 (複数回答がある為、構成比の合計が100%を超える)

財産管理処分
大多数の申立ての動機は、預貯金等の管理です。
近年、銀行が本人確認を厳格化し、判断能力が疑わしい預金者の引き出しに応じないケースが見られます。このとき銀行が成年後見の利用を勧めることもあるでしょう。
債務整理ケース
多重債務状態を解消するために後見利用することもあります。
身上監護
施設の入所契約、介護・福祉サービスの利用契約などを、後見人が本人に代わって行います。
遺産分割協議
相続が発生して、相続人のうちに判断能力が十分でない者がいると、預貯金の相続手続、不動産の名義変更や売却などが進められません。
遺産分割調停を起こしたところで、判断能力が十分でない当事者がいると進められません。
この場合、後見人が本人に代わって遺産分割協議や相続手続を行います。

申立て方法

診断書の取得
裁判所定型の成年後見用診断書の書式を使用します。
作成者は通常は主治医で、精神科医でなくても構いません。
申立権者
申立てをすることができる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、後見監督人等、市町村長、検察官です。
4親等内の親族とは
・親、祖父母、子、孫、ひ孫
・兄弟姉妹、甥、姪
・おじ、おば、いとこ(いとこの配偶者は×)
・配偶者の親・子・兄弟姉妹
後見人候補者
親族が申し立てる場合、当該親族が後見人になることが多いでしょう。ただし、次のような場合、裁判所の判断で第三者を選任することがあります。
・親族間に対立がある場合
・管理財産、収入が大きい場合
・候補者自身が高齢の場合 など
統計では次の通りです(最高裁「H28成年後見関係事件の概況」)
・親族後見人(子、兄弟姉妹、配偶者)が28.1%
・第三者後見人(専門職、市民後見人)が71.9%
申立ての取り下げ
特段の事情がないと取り下げはできないとされていますので、注意してください。
お取り扱い事例
寝たきりの親の財産を兄弟が取り込んでいることが疑われるケースでの後見申立て
離れて暮らす従姉妹に知的障害があり財産管理に不安があるため保佐申立てを行ったケース
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